MPM 1/72 ライアン XF2R-1 ダークシャーク
ライアンXF2R-1ダークシャークはFR-1ファイアーボール(http://skyandsea.a.la9.jp/RECIPROCAL-1/FR-1.htm) を基に改造された機体で、アメリカ海軍の単座で陸上基地から運用するターボプロップ機に対する要求に応えた ものでした。
この要求では機体前部にターボプロップエンジン、後部にターボジェットエンジンを装備することが求められました。 カリフォルニアのミューロック乾湖での試験飛行は1946年11月に始まりました。本機はアメリカ海軍で最初にターボプロップエンジンを装備した機体で、その1700馬力のジェネラル・エレクトリック T-100 T31-GE-2の排気によって250kgの追加の推力を得ることができました。 後部には推力725kgのジェネラル・エレクトリックのJ-31-GE-3が装備されています。 本機は着陸時に逆ピッチとすることでブレーキとして使用できるハミルトン・スタンダード社製の巨大な油圧式プロペラを装備していました。 ターボジェットエンジンのみで飛行する際にはプロペラはフェザリングさせることができ、機体の安定性を向上させました。
本機は原型となったFR-1に比べてより強力なエンジンを装備しましたが重量は515kg増加し、速度の向上は120km/hに留まりました。 1947年5月2日の試験飛行中に本機は39,160フィート(11,936m)の世界高度記録を樹立しましたが、複合動力よりもターボジェット動力戦闘機の方が優れていると考えられるようになったため試作段階から先に進むことは有りませんでした。
製作の記録です。ラインは凹モールドですが心細い限りで、簡易モールド故に荒れている表面も磨くので、
見易いように一旦墨入してから深彫りします。
コクピットから機首を見たところで、機首下のインテークが塞がっているので開口させます。(右は加工前)
尻餅防止に機首に錘を仕込みますが、中心部にはプロペラ回転軸を通したいので、
糸半田を切って機首側面内側に貼り付けました。
主翼付け根とフィレット間に大きな隙間が空きますので、1mm角のプラ棒を主翼側に貼り付けました。
隙間を埋めても、大きな段差が有るので左右ともに2mmの角棒を挟んで主翼を少し厚くしました。
それでも段差(赤いところ)が埋まりきりませんので、ここは削ってやります。
スピナー先端と一体成型されたプロペラの後からの画像です。
バリは多いしゲートが食い込んでますし、ピッチも浅すぎます。
フィレットを削って、イモ付けの水平尾翼は針金で補強しました。
スピナー先端に食い込んでいたゲートは削除して中央部と結合しました。
プロペラはブレードを切り離して針金を仕込みましたのでピッチを深くできます。
照準器のガラスはメーターが印刷された透明シートの残りを切り出して使いました。
ここからは完成品です。
光沢クリアをスプレーしてグレーで墨入した完成です。
試作機ですので、国籍マークしか有りません。
ジェネラル・エレクトリック T-100 T31-GE-2の1700馬力で回しております。
コックピット前方の排気管には遮熱板があるようですが、パーツ化されてませんでしたので
0.14mm厚のプラ版を少し重ねて貼ったもので自作しました。
主脚扉やステーは付属のエッチングパーツですが、プラ部品の前脚扉は薄く削ってやりました。。
それにしてもブレードが随分前寄りです。
おそらく機首のターボプロップエンジン用インテークに空気をスムースに取り入れるためだと思われます。
何故かピトー管が両翼に装備されてます。これもエッチングパーツが有りましたが、
さすがにペラペラですので0.6mmのパイプに0.28mmの針金を通したものに替えました。
ホイップアンテナもエッチングパーツを0.35mmの針金に替えてます。
ブレードの赤帯のみはデカールが有りましたが透けてしまったので、黄帯ともども塗装しました。