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タミヤ 1/35 ドイツIII号突撃砲B型

第二次世界大戦勃発前の1936年にドイツ陸軍兵器局は歩兵部隊の火力支援を任務とする機動力と攻撃力を兼ね 備えた支援車両の開発に着手しました。当時の主力戦車であるIII号戦車の車体を流用したこの支援車両は突撃 砲と呼ばれ、1938年までに試作車両が完成し運用試験で高い評価を受けました。砲塔を持たない突撃砲は広い 固定戦闘室に戦車よりも大型の火砲を搭載することが可能となったばかりか2mを下回る低いシルエットにより 避弾性が大幅に向上し、待ち伏せ攻撃でも有利となりました。増加試作型とも言えるA型に引き続き初の本格的 な量産型となったB型は初期のIV号戦車と同型の短砲身24口径75mm砲を搭載し、野砲用のパノラマ式望遠照準器 により間接射撃での最大射程は6,000mに達しました。榴弾以外にも対戦車用の徹甲弾や成型炸薬弾を発射でき 携行弾薬数は44発でした。

複雑な面構成を見せる戦闘室は前面50mm、側面30mmと当時の主力戦車を上回る防御装甲を備えていました。 エンジンはB型から改良タイプのマイバッハHL120TRMに、変速機も信頼性の高いZF製SSG77に換装され、高機能 なトーションバー式サスペンションと相まって最高速度は40km/hに向上しました。生産途中から幅の広い履帯 や新型の起動輪、転輪が導入されるなど足回りにも改良が加えられました。1940年6月から翌年5月までに250輌 が生産され、1941年4月のバルカン侵攻作戦、そして同年6月に開始されたバルバロッサ作戦にも出撃しました。

突撃砲大隊の主力装備となったIII号突撃砲B型は歩兵部隊と連携した強力な支援砲撃で敵拠点を粉砕するのは 勿論のこと強敵として現れたソ連のT34やKV-1戦車に対しても貫徹力の大きな成型炸薬弾で対抗しました。 ロシヤの泥濘による悪路や冬季装備の不足に悩まされながらも、火力と投入数で大きく勝るソ連軍戦車部隊を 搭乗員達の比類ない働きで撃退するなど最前線に置かれたドイツ軍部隊の窮地を幾度となく救ったのでした。 III号突撃砲はその後、実戦の中で培った経験を元に本来の歩兵支援兵器から対戦車兵器へと改修を重ね、 最終型となったG型まで進化を続けました。

製作の記録です。
StuG3-B_Z11.jpg(78002 byte)
キットには塗装可能なベルト式履帯が付いてますが、今回はモデルカステンの組み立て式連結可動履帯を奢ってます。
付属の治具を使って履板を接続していきます。今回は20コマを1ブロックにしました。 StuG3-B_Z12.jpg(63313 byte)
連結ピンのランナー(持ち手)を切り離して、センターのガイドホーンを接着します。 StuG3-B_Z13.jpg(257915 byte)
ガイドホーンのランナーを切り離して1ブロックが完成です。
連結ピンには車体側と外側の区別がありますので、外側になる方に赤いドットで目印をつけてます。 StuG3-B_Z15.jpg(205285 byte)
片側93コマが連結できました。タミヤのキットに使う場合はモデルカステンから専用のスプロケットが用意
されてますが、手に入らなかったので、キットのスプロケットと合わせてみました。特に問題は無さそうですね。 StuG3-B_Z14.jpg(229173 byte)
車体の方に掛かります。ジオラマ用だと思いますが車体の底にはナットが仕込めるようになってます。
しかし何故かこれについては組説に何の説明も有りません。ジオラマの予定は有りませんがナットは仕込みました。 StuG3-B_Z16.jpg(72861 byte)
車体左側に転輪を仮組して履帯を合わせてみました。チョット弛みが多い気もしますがスプロケット
に起因する不都合が有るようには思えません。タミヤ専用スプロケットってどうして用意されてるんでしょうね? StuG3-B_Z17.jpg(62934 byte)
同じく車体右側です。こっちの張り具合は良い感じですね。
このキットはサスペンションが可動になってます。四隅の荷重輪のサスは針金をバネにして支えられてます。 StuG3-B_Z21.jpg(21553 byte) StuG3-B_Z22.jpg(22994 byte)
左側の張り具合を調整します。一コマ増やすと張りすぎるので、誘導輪を少しずらす作戦です。
左写真がキットオリジナルの状態です。 車軸を切って誘導輪側に接着して、車体側、誘導輪側ともに
中心から少し外して軸になる針金を仕込みます。誘導輪側の穴は見難いので周囲を赤く塗ってあります。
接着時に誘導輪を回転させると(少し上下にもずれますが)微調整できそうです。 StuG3-B_Z23.jpg(277108 byte)
転輪を組み付けて、履帯の最後の連結ピンの乾燥中です。履帯の外側は泥、内側は錆を狙って汚しました。 StuG3-B_Z31.jpg(193772 byte)
車体の塗色はMr.カラーの40番ジャーマングレーです。デカールを貼り終えました。

ここからは完成品です。

StuG3-B_UFL.jpg(88794 byte)
艶消しクリアの後にタミヤアクリルのバフでウォッシング、
エナメルの黒で墨入れ、ウェザリングマスターで汚して完成です。 StuG3-B_UBR.jpg(87327 byte)
1941年6月ポーランドの第192突撃砲大隊第1中隊3号車の仕様で仕上げました。 StuG3-B_FLU1.jpg(90696 byte) StuG3-B_FLU2.jpg(90569 byte)
同じような2枚ですが、上写真は主砲を限界まで右上に、下写真は左下に振ったものです。 StuG3-B_CRR.jpg(220033 byte)
履帯と荷重輪が可動しますので、障害物に乗せてみました。 StuG3-B_BUR.jpg(88609 byte)
排気のマフラーの上半分はウェザリングマスターの赤さびを使いました。 StuG3-B_75mm.jpg(223163 byte)
戦闘室の天蓋は取り外し可能ですので外してみました。75mm砲も再現されてます。 StuG3-B_RFS.jpg(56797 byte)
前後のフェンダーの縁は薄く削ってあります。 StuG3-B_LSS.jpg(62779 byte)
履帯の弛み具合はどうでしょうね?

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