AFV CLUB 1/35 アメリカ陸軍 自走155mm榴弾砲 M109A2
米陸軍の装備する自走砲は第二次大戦中に発展し、朝鮮戦争までにはすべて戦車の車体をベースにしたものになっていました。 自走砲に戦車の車体を利用することは、燃料やパーツの供給といつた兵姑面で非常に有効でしたが、一方で運用には不便な点もありました。 自走砲は弾薬の搭載は後部ドアから行います。 通常戦車のエンジンは車体後部に位置しており、自走砲として使用するには車体の前後を逆転させる必要がありました。 そのために操縦席は戦闘室内部に位置を変更されることになり、結果として砲の左右の射界を狭めてしまうことにもつながりました。
1952年に米陸軍の要求に沿うように専用の車体を用いた自走砲の開発計画が始まりました。 新車体は、フロントエンジン、全溶接のアルミニウム装甲を採用し、360度旋回の砲塔を搭載していました。 1958年までにエンジンと搭載砲の口径を変更した後、105mm砲搭載のT195E1、155mm砲搭載のT196E1として型式名称を与えられました。 両車は1961年に試験を通過し、翌年には量産開始、1963年にそれぞれM108、M109として配備が開始されました。
1965年に米地上軍がベトナム戦争に投入されるとM109の射程距離の不足が明らかとなりました。 そのため、1967年に搭載していたM126L23溜弾砲をM185L/39櫂弾砲に置き換えM109A1として採用されました。 1975年までに後部弾薬庫を改良して搭載弾数を28発から36発に増強、併せて光学照準器の改良が施されました。 これがM109A2です。 これまでにM109系列の自走砲は、7000輌以上が生産され、30カ国以上で採用されています。
製作の記録です。トーションバーサスペンションは、形だけでなく機能的にも再現されてます。
転輪は外側と内側の部品に分割されていることが多いと思いますが、
このキットではそれぞれがさらに左右二分割されています。
画像上が外側、画像下が内側の転輪で、左と中の部品を貼り合わせて画像右のように組み立てます。
このパーツ割は外側の外側と内側の内側のオーバーハング?を再現するためのようです。
AFV CLUBの連結可動履帯です。素材は少し柔らかめでエンドコネクターをはめ込むだけにすることでダブルピンの
動作が再現できるようですが、はめ込むだけでは外れる恐れが有るので、片方のピンには接着剤を付けました。
足回りを組み立てて、塗装してウェザリングしました。
榴弾砲の砲身とスリーブのパーツは金属製で、駐退復座を再現するスプリングも付いてました。
基部を塗装しつつ榴弾砲を組み立てました。白いところから手前は戦闘室内に入るので見えなくなりますけど。
ここまで組み立てたところで塗装に入ります。砲身の摺動部はマスキングしてます。
車体の前に転がっているのはトラベリングロックで、車体の右に有るのは駐鋤です。
駐鋤とは砲の発射時に車体を安定させるために地面に食い込ませる板状の装備です。
車体の迷彩塗装が終わりました。
ここからは完成品です。クリックすると大きなサイズで見ることができます。
デカール貼って、半光沢クリアコート、ウェザリング、つや消しクリアコートして完成です。
アメリカ陸軍所属の車両ですが部隊名等の詳細は不明です。
半光沢クリアの後でステインブラウンでウォッシングして油彩の白・黄色・青でフィルタリングしました。
つや消しクリアコートの後でウェザリングマスターのマッド系をまぶしました。
ハッチは開閉可動に作れますが、榴弾砲の基部以外は車内が空っぽですので閉じて固定しました。
ホイップアンテナは伸ばしランナーです。
駐鋤を下ろしてみました。地面に食い込ませるので塗装が剥がれて派手に錆びた状態のつもりです。
仰角約45度です。もっと上がりますが、上げてもあまり意味無いですね。
ほぼ水平の状態です。榴弾砲をこの角度で撃つことは無いでしょうけど。。。