ピットロード 1/700 ロシア海軍ミサイル巡洋艦 モスクワ
旧ソ連海軍のスラヴァ級は1番艦が1982年に就航した大型戦闘艦で、原子力ミサイル巡洋艦キーロフ級の小型版に近い性格です。 艦の種別は西側ではミサイル巡洋艦とされていますが、ソ連では本級とキーロフ級はロケット巡洋艦(RKR)とされています。 尚、ロケットはロシア語ではミサイルを示します。 1番艦モスクワ(旧名スラヴァ)は1982年12月、2番艦マーシャル・ウスチノフは1986年9月、3番艦ワリヤーグは1989年12月に就役し、黒海艦隊、北海艦隊、太平洋艦隊に1隻ずつ配備されました。 4番艦はソ連崩壊にともない完成度80%でウクライナに移譲され、その名もウクライナとなりました。
本級の主船体は鋭く突き出した艦首の顕著なシアの長船首楼型で艦尾も後方に傾斜し幅広のトランサムです。 これらは近年のロシア艦に共通の特徴で、耐航性を持つ高速に適した船体と言えます。 本級を最も特徴づけているのが艦橋部左右に約15度の俯角で装備された片舷4基、合計8基のSS-N-12 SSM(水上発射型対艦ミサイル)連装発射筒です。 このミサイルは射程550kmの大型ミサイルで水上打撃力を重視していることが伺えます。
艦橋の両舷に大型兵器を搭載することで艦橋側面のスペースは有効利用されていますが、艦の前後交通を阻害しているだけでなく、波をまともに受ける舷側は荒天下での悪影響が無いとは言えません。 本級はSSM以外にも多くの武装を搭載していますが、兵装を艦橋周囲に集中させたため艦橋構造は幅が狭くなり5層構造となっています。 主砲の130mm連装砲も艦全体のバランスからすれば極めて前部よりであり、艦の前半部に構造物や兵装が集中していることになります。 その結果、重心を前方に置き過ぎたバランスの偏ったプロフィールとなっています。
製作の記録です。ウォータラインかフルハルを選択する設計ですが、切り替え可能に加工します。
上部船体の梁にはナットを仕込んで、喫水板にはビス穴を開けて1mmのスペーサーを仕込みます。
下部船体にはネオジム磁石を、船体上部には使い古したカッターの刃を仕込みます。
キットのままだと上部船体の縁より上甲板が少し低かったので、
(白く見える)プラ棒やプラ板でシムを挟んで上甲板を高くします。
そうすると上甲板の長さが足りなくなったので、中央で切断して1mmプラ棒を挟んで延長しました。
船体を塗装してエッチング手摺りを張りました。
艦首側は船体の縁に溝を掘って、艦尾側は甲板と船体の接合部に埋め込みました。
大半の上部構造物を組み付けて、手摺りも張りました。
YouTubeにアップされていた艦船模型製作の動画を真似て旗デカールはアルミホイルに貼ってみました。