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造形村 1/32 九州飛行機 局地戦闘機 震電

昭和19年5月、日増しに激しさを増す米空軍のB-29の攻撃に対して日本海軍は新たなる強力な局地戦闘機配備の必要に迫られていました。 そして九州飛行機にその開発が指示されましたが、その要求書の冒頭には「敵重爆撃機ノ撃墜ヲ主トスル優秀ナル高速陸上戦闘機ヲ得ルニ在リ」と記されていました。 文章こそ簡潔ですが、九州飛行機にとっては大きな重圧を伴う困難な内容でした。 この要求に応えようとしたのが若き海軍技術大尉の「単発、単葉、そして前進翼」という奇抜なアイデアでした。

それは胴体後部に主翼、推進式発動機に6枚のプロペラを装備する斬新というより、それまで誰も見たことが無い形態をした飛行機でした。 最高速度は高度8,700mで400ノット(750km/h)、上昇力は高度8,000mまで10分30秒以内、実用上昇限度は12,000m以上が計画されていました。 固定武装として30mm機関砲4門を機首に集中配置して、その破壊力を最大とすることを狙っていました。

しかし戦局の悪化に伴い、資材や部材の調達は困難を極め、熟練工の不足に加えて高性能であるが故の不調続きの発動機等で開発は遅々として進みませんでした。 昭和20年8月に3回の試験飛行を行ったのみで終戦を迎えました。

製作の記録です。
J7W1_Z11.jpg(78659 byte)
プロペラ回転機構はキットのものをそのまま使います。
減速機ケースに軸を通して、黒いパーツで抜け落ちるのを防ぐ設計です。 J7W1_Z12.jpg(86280 byte)
エンジン本体を組みました。
部品数は多かったですがプラグコードは再現されてませんでしたので無塗装のエナメル線で自作しました。 J7W1_Z13.jpg(88973 byte)
エンジンの前方にリング状のエンジン架とスーパーチャージャーを、後方に延長軸覆いを取り付けますが
ここで大きなミスを発見しました。シリンダーの前列と後列を接着する位置が120度違っていました。
いまさらシリンダーを組み直すことはできないので、
エンジン架とスーパーチャージャーを外して120度回して接着し直しました。 J7W1_Z14.jpg(157767 byte)
シートベルトはモールドされています。インパネはクリアパーツでインパネのデカールを
「裏面から貼り付けるとレンズ効果を生かせる」とも組説に書いてありましたが、
表面にはメーター類がモールドされてましたので、
デカールからメーターの部分のみを切り出してモールドの上から貼りました。 J7W1_Z21.jpg(81150 byte)
機関砲の床下にホワイトメタル製の弾倉と空薬莢受けを設置しました。
これらのパーツはこのキットのオプションパーツで、尻もち防止の錘の役目も有ります。 J7W1_Z22.jpg(149156 byte)
機関砲を組み付けました。機関砲庫と機首の間の隔壁を潜らして設置しますが、この隔壁が
邪魔で作業し難かったです。機関砲を設置してから隔壁を着ければ良かったです。 J7W1_Z23.jpg(157903 byte)
エンジンを組み込みました。各シリンダーの頭にはカムカバーが着いてますが、排気管を
着けるのに、これが邪魔でした。プラグコードを配線する時も邪魔でしたから
カムカバーの接着はエンジンを組み込む直前が良かったです。 J7W1_Z24.jpg(61557 byte)
胴体パネルや先尾翼、垂直尾翼(側翼)を仮り留めして全体像を確認しました。 J7W1_Z31.jpg(106002 byte)
機体全体を塗装して、デカールを貼りました。 J7W1_Z41.jpg(64769 byte)
前脚の取り付け基部で、左はプラパーツ、右は塗装したホワイトメタルのオプションパーツです。
そのままだと前脚庫に入らないので、右のようにペンチで曲げて幅を狭めてます。 J7W1_Z42.jpg(30195 byte)
前脚庫に入れた後で幅を広げました。
前脚庫をフレームに付ける前に、前脚とアクチュエーターは前脚庫に組み付けた方が良いようです。 J7W1_Z43.jpg(112179 byte)
キャノピーはマスキング用のシートが付属してます。
紙ではなく、樹脂のような素材なので密着性は良好です。筆塗りでも染み込みは殆ど有りませんでした。。
閉じている一体型のパーツとの選択性です。今回は開いている方にしました。

ここからは完成品です。

J7W1_UFR.jpg(85090 byte)
半光沢クリアをスプレーしてウェザリング、空中線を張って完成です。 J7W1_UBL.jpg(82343 byte)
試作機なので部隊マークなどは有りません。米軍に接収される前のマーキングです。 J7W1_P.jpg(94975 byte)
三菱ハ43の42型、離昇出力2,070馬力で回しております。
主脚柱もホワイトメタル製のオプションパーツです。 J7W1_LUF.jpg(84512 byte)
上面と側面はタミヤアクリルのXF-83ミディアムシーグレー2を
アルコールでかなり薄めてウォッシングしてから黒で墨入れしました。
下面はウォッシング無しで、墨入れの黒を伸ばしました。
ここから先の画像はクリックすると大きなサイズで見ることができます。 J7W1_RFU.jpg(105365 byte)
機関砲の砲口は開口してあります。ピトー管は0.8mmパイプと0.35mm金属線で置き換えました。 J7W1_LSB.jpg(106858 byte)
プロペラ先端の黄色と側翼の赤のラインはデカールも有りましたが、塗装しました。 J7W1_RSF.jpg(96490 byte)
胴体日の丸後方のカウルフラップは一枚ごと切り離してあります。
開いた状態で空気の流入が阻害されますので、通常配置の空冷エンジンなら閉じた状態に相当します。 J7W1_LUB.jpg(122122 byte)
機関砲庫とエンジンのカバーは取り外し可能にしました。
機関砲庫の前とエンジン後方のカバーも取り外し可能にできますが、固定してます。 J7W1_RUF.jpg(111873 byte)

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