アオシマ 1/72 川西 紫電11型甲
紫電は開発が難航して活躍のタイミングを逸した川西の水上戦闘機「強風」を基本に陸上戦闘機に改設計を行った機体です。 中翼式の機体構造、層流翼の採用、伸縮式の主脚などそれまでの日本の機体には無い斬新な機構が盛り込まれていましたことで有名です。 加えて機体構造が頑丈であったため射撃時の安定性が良好で、零戦よりも命中弾が得られやすかったようです。 これは、機体構造軽量化を第一に優先した零戦では機体の剛性不足から射撃時の安定性が劣っていたためです。
昭和19年11月に制式採用されましたが実戦配備はそれに先立つ19年10月より行われ台湾沖航空戦を迎えました。 その後の戦場はフィリピンに移行し防空戦のみならず艦船攻撃、地上攻撃、高速を活かした強行偵察にも活躍しています。 本機はアメリカ海軍のF6Fヘルキャットに対抗できる新鋭機として大いに期待されていましたが、「誉」エンジンと伸縮式の主脚のトラブルには最後まで悩まされました。 戦後、3機の紫電がアメリカで調査され添加プラグの変更と92オクタンの燃料を使ったテストでは最大速度670km/hを発揮し、P-51Dとも互角に戦える機体であるという評価を得ています。
製作の記録です。塗装前のコックピットです。このキットはエッチングパーツが付属した限定版で、
左側コンソールのレバー類はエッチングを折りたたんで形にします。
フットペダルを含むコックピットフロアもエッチングです。
計器盤もエッチングで、塗装して凸の塗膜を剥がして、ガラス面にはUV接着剤を垂らしてあります。
パイロットを乗せる予定ですのでシートベルトは省略です。
コックピット両側の壁はフロアと一体でしたが、接続部が細いので離れてしまいました。
胴体や主翼下面パーツにモールドされた排気管を開口しました。
空中線支柱には空中線を通す穴を開けました。分かりやすいように0.28mmの針金を通してあります。
この支柱にもエッチングが用意されてましたが細すぎるので不採用としました。
機関砲の砲口は0.3mmで開口しました。
プロペラ回転機構のアッセンブリーです。
主翼上面とフィレットの間には少し隙間ができますが、テープで
止めて接着することで隙間は無くなり、上反角も確保できました。
田中克自流で塗り始めましたが、濃度ムラが激しいです。
ここからは完成品です。
空中線を張って、プロペラはめ込んで完成です。パイロットを乗せましたのでキャノピーは開けてます。
昭和19年10月フィリピンの第201海軍航空隊所属機のマーキングです。
誉二一型の1,900馬力で回しております。
上面色は田中克自流で一通り塗った後、普通の薄めの塗料を太めの筆でひと塗りしました。
主翼のデカールは一部が破れてしまったのでリタッチしたんですが、
イマイチでしたのでジャンク箱で見つけた同じサイズの日の丸を貼り直しました。
脚カバーはエッチングで、主脚柱には0.28mmの真鍮線で作ったブレーキパイプを追加してあります。
主翼の後縁は薄く削ってあります。
胴体側のタイヤカバーもエッチングで、0.45mmの銅線で作ったアクチュエータを追加してあります。