フジミ 1/72 愛知 九八式水上偵察機
ロンドン軍縮条約下で補助艦艇の対米比率が制限されたため、日本海軍は将来の艦隊決戦における日米の兵力差を水雷戦隊による夜襲と陸上基地からの航空攻撃によって補う作戦方針を採用しました。 夜間水上偵察機はこの水雷戦隊の夜襲用に構想された専用偵察機で、夜間にのみ活動し敵艦隊に張り付いて友軍の水雷戦隊を誘導することが主要な任務でした。 そのため、夜間の運用に適するように低速であっても凌波性の高い飛行艇型の機体を採用し、航続力と安定性を重視した設計となりました。
まず、このタイプの習作的機体として愛知の六試夜間水上偵察機が6機が製作され、続いて九試が川西と愛知に試作発注されました。 九試では愛知の機体が九六式水上偵察機として採用されましたが15機の生産に留まりました。 夜間偵察機の完成を目指してやはり川西と愛知に試作発注されたのが十一試特種水上偵察機で、川西機よりも安定性、操縦性、航続距離などで優ると評価された愛知の機体が九八式水上偵察機として採用されました。
しかしながら低速ゆえに敵艦隊に対する追尾能力が不十分で、いったん発見されると逃げるのが難しいという実用上の問題が指摘されました。 さらに従来型の三座水偵で十分に代用できることも判明したことで夜間偵察機への関心は急速に薄れていくことになり、本機以降夜間偵察機が試作されることはなく、生産数も17機に留まりました。
製作の記録です。パイロット以外の席の窓はマスキングゾルを塗っておきます。半田と鉛で錘を仕込みました。
透明のプラパイプと開口したプラ棒で軸受けを作りました。
排気管として1.3mmの真鍮パイプを仕込みました。